妙心寺は臨済宗妙心寺派の大本山で、末寺が全国に約3,500寺ある臨済宗の中で最大の宗派である。現在でも広大な境内にある七堂伽藍のまわりには42もの塔頭が建ち並んでいる。
妙心寺の創建は1337(建武4)年に花園法皇がこの地にあった離宮を禅寺とし、開山慧玄(かいざんえげん)を開山として迎えたことに始まる。花園法皇は方丈の後方に玉鳳院を建立し、そこから通って参禅したという。その後、足利義満により寺領を没収され、妙心寺は一時中断を余儀されるが、細川勝元らの援助を得て復興を遂げる。
九世の雪江宗深(せつこうそうしん)の時代には、門弟の教育に努め、妙心寺の四派を確立。さらに「米銭納下帳」をつくり会計制度が設けられて経営も確立した。江戸時代には全国にある臨済宗寺院9,200寺のうち、妙心寺派が5,000寺あったとされる。そんなところからも妙心寺が「妙心寺の算盤面(そろばんずら)」と呼ばれる理由がよくわかる。
見どころは法堂の天井一面に描かれた狩野深幽作の雲龍図。大方丈の狩野深幽、狩野増信作の山水図、獅子図。明智光秀の菩提を弔うために創建されたと伝わる「明智風呂」。また塔頭の退蔵院は名庭で知られている。
宗派 | 臨済宗妙心寺派 |
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創建 | 1337(建武4)年 |
価格 | 大人500円 中学生300円 小学生100円 |
住所 | 京都市右京区花園妙心寺町64 |
TEL | 075-463-3121 |
定休日 | 無休 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
URL | ホームページ |
妙心寺の創建は1337(建武4)年に花園法皇がこの地にあった仁和寺花園御所とよばれていた離宮を禅寺とし、大徳寺の開山である宗峰妙超(しゅうほうみょうちょう)の弟子である開山慧玄(かいざんえげん)を開山として迎えたことに始まる。花園法皇は方丈の後方に玉鳳院を建立しそこから通って参禅したという。
第三世無因宗因(むいんしゅういん)は妙心寺の法要や儀礼などを整え、各地に関山禅を広める活動を行い、妙心寺は大いに栄えたが、室町幕府は妙心寺を弾圧する。1399(応永6)年に妙心寺と関係の深かった大内義弘が足利義満に反旗を翻して応仁の乱をおこしたため、義満は寺領を没収し、青蓮院に付与した。のちに義満の叔父の南禅寺徳雲院の廷用宗器にあたえられ、竜雲寺と改め、妙心寺は一時中断されることになる。
妙心寺が中興されるのは1432(永亨4)年、南禅寺から敷地が返還され、尾張犬山の瑞泉寺から迎えられた日峰宗舜(にっぽうそうしゅん)が、荒れた地をととのえ復興に着手する。そののち応仁の乱により堂塔は焼失したが、1477(文明9)年に土御門天皇が九世雪江宗深(せつこうそうしん)に復興の綸旨をくだし、細川勝元や政元らの援助をえて堂宇が建立された。細川勝元は1450(宝徳2)年には第八世義天玄詔(ぎてんげんしょう)を開山に龍安寺を創建している。
雪江宗深は法門の隆盛と門弟の教育に努め、妙心寺の四派を確立した。さらに「米銭納下帳」をつくり会計制度が設けられて経営も確立する。また1504(永正6)年には、鄧林宗棟(とうりんそうとう)が妙心寺の入寺に先立って大徳寺へ奉勅入寺するという慣例を破ったことにより、妙心寺は大徳寺と同格の寺とされ独立した。その年には利貞尼(りていに)が仁和寺の土地を買い求め妙心寺に寄進。これにより妙心寺の寺地は今日の規模に拡大し、その後も法堂などの諸堂が造営され、塔頭が創建されていく。
1629(寛永6)年には江戸幕府の寺院法度に抗議した大徳寺と妙心寺の僧が配流になる紫衣(しえ)事件などがあったが、妙心寺は大名などの外護者を得て、全国各地に寺を開創し寺勢を拡大した。江戸時代には全国にある臨済宗寺院9,200寺のうち妙心寺派が5,000寺あったとされる。
1277 | 関山慧玄生まれる |
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1329 | 宗峰妙超、関山慧玄に開山の号を授ける |
1337 | 宗峰妙超、花園法皇創建の禅寺に、正法山妙心寺の山号寺号とする |
1337 | 宗峰妙超、示寂 |
1338 | 花園法皇、玉鳳院(ぎょくほういん)建立 |
1341 | 花園法皇、関山慧玄に仁和寺御所跡を管領 |
1347 | 花園法皇、関山慧玄に「往年の宸翰」を下賜 |
1348 | 花園法皇、52歳で崩御 |
1360 | 関山慧玄、84歳で示寂 |
1399 | 足利義満により妙心寺を没収。龍雲寺と改名させらる |
1432 | 日峰宗舜、妙心寺復興事業に着手 |
1462 | 雪江宗深、龍安寺・妙心寺住持となり、大徳寺で開堂 |
1467 | 応仁の乱により妙心寺炎上 |
1477 | 後土御門天皇、妙心寺再興の下賜。方丈上棟 |
1509 | 利貞尼、仁和寺領の土地を買い妙心寺に寄進 |
1509 | 末寺に奉加禄をまわし、賦課金制度始まる |
1509 | 後柏原天皇、紫衣勅許下賜。独立本山となる |
1578 | 最初の妙心寺壁書制定 |
1583 | 古仏殿兼法堂建立 |
1587 | 浴室(明智風呂)建立 |
1599 | 三門建築 |
1615 | 大阪夏の陣。幕府、大徳寺・妙心寺法度制定 |
1627 | 紫衣事件。大徳寺・妙心寺四僧配流 |
1633 | 妙心寺末寺帳完成 |
1653 | 大庫裏改築落成 |
1654 | 大方丈改築落成 |
1657 | 法堂新築落成 |
1868 | 花園大学、花園高等学校の前身となる般若林が開設 |
妙心寺は京都市内の北西にあり、京都駅からは車で20~30分ほどのところにあります。周辺には龍安寺や仁和寺があり、観光道路「きぬかけの道」からも遠くありません。また嵐山への近くJRか嵐電でアクセスも可能です。
JRをご利用の場合は、JR嵯峨野線で「花園駅」で下車ください。花園駅からは徒歩10分程度で妙心寺の南門です。
京阪電鉄をご利用の場合は「三条京阪駅」で下車ください。三条京阪駅から京都バス61・62・63・65番に乗車、「妙心寺前」で下車ください。また京都市バス10号系統を利用すると北門がある「妙心寺北門前」へのアクセスが可能です。バスで観光をする場合は500円のバス一日乗車券がお得です。
阪急電鉄をご利用の場合は「大宮駅」で下車ください。京都市バス91系統で「妙心寺前」で下車するか、京都市バス26系統で北門がある「妙心寺北門前」で下車ください。
妙心寺には無料の駐車場(普通車50台/9:00~17:00)があり、自家用車でのアクセスも可能です。
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