三十三間堂の金色に輝く千一体の観音像は息をのむほど壮観で迫力がある。三十三間堂の異様に長い本堂の中央には、大きな先手観音像座像を安置し、その左右には五百体ずつの千手観音立像が立ち並ぶ。観音立像の前には観音を信仰する者を守護するとされる毘沙門天や帝釈天をはじめとする二十八部衆。両端には風神と雷神像。薄暗い本堂の中にびっしりと立ち並ぶ仏像はまさに圧巻である。
三十三間堂は1164年(長寛2年)、後白河法皇により、時の権力者であった平清盛の協力を得て創建されました。ちなみに三十三間堂は、蓮華王院(れんげおういん)の本堂にあたる建物のことをいう。創建当時は平清盛の父である忠盛が建てた、得長寿院(とくちょうじゅいん)があり、三十三間堂が京都に2つあったという。残念ながら得長寿院は地震により倒壊し、その後再建されることはなかった。
三十三間堂は1249年(建長元年)に火災により全焼し、1266年(文永3年)に再建されて以来、その姿を今に残している貴重な建物である。十年も続き京都を焦土と化した応仁の乱、幕末の禁門の変、昭和の米軍による爆撃と奇跡的に難を逃れていることからも、千一体の観音像の見えない力を感じずにはいられない。三十三間堂には古より極楽浄土を願う人々の願いが詰っている。
宗派 | 天台宗 |
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創建 | 1164年(長寛2年) |
価格 | 大人:600円 中・高生:400円 子供:300円 |
住所 | 京都市東山区三十三間堂廻町657 |
TEL | 075-561-0467 |
URL | ホームページ |
三十三間堂は988年(永延2年)に後白河法皇が造営した壮大な御所・法住寺殿(ほうじゅうじどの)に始まる。その際に法住寺殿の守護神として紀州熊野本宮と比叡山延暦寺の鎮守社・日吉山王のご神体を勧請して新日吉神社と今熊野神社を創建した。このとき比叡山妙法院昌雲(しょううん)を検校職に任命したことが現在も妙法院・三十三間堂と一体で呼ばれる理由である。
三十三間堂は蓮華王院(れんげおういん)の本堂にあたる建物で、蓮華王院は他にも五重塔、宝蔵、阿弥陀堂など多数の堂塔を持つ寺院の総称である。三十三間堂の落慶は1164年(長寛2年)。後白河法皇が願主となり、時の権力者であった平清盛が知行国の備前国(岡山県)の税収を惜しげもなく投じて建立された。三十三間堂の名は本堂内陣の柱間が三十三間あることに由来する。
ちなみに創建以前から現在の左京区岡崎には平清盛の父、忠盛が建てた得長寿院(とくちょうじゅいん)と呼ばれる三十三間堂の同じような寺院があり、創建当時は北と南に三十三間堂が並行していた。得長寿院は聖観音千体と丈六の聖観音であったが、三十三間堂はすべて千手観音である。その後、得長寿院は1185年(元暦2年)に地震により倒壊した。
1249年(建長元年)には火災により三十三間堂は全焼する。この時、寺僧の努力により千体千手観音のうち、百五十六体と二十八部衆は救出された。すぐに再建されて1266年(文永3年)に旧観を取り戻す。その後もばさら大名で有名な佐々木道誉(ささきどうよ)による妙法院の焼き討ち。十年も続き京都を焦土と化した応仁の乱でも三十三間堂は難を逃れている。それ以降も幕末の禁門の変の大火、昭和の米軍による爆撃と奇跡的に三十三間堂は文永3年の姿を今に残している。
1132 | 鳥羽上皇が得長寿院三十三間堂を建立する |
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1160 | 新日吉社が法住寺殿の鎮守として勧請される |
1161 | 後白河上皇が新日吉社に荘園を寄進する |
1164 | 蓮華王院が完成し落慶供養が行われる |
1202 | 妙法院実全が天台座主に任じられる |
1249 | 蓮華王院焼失 |
1266 | 蓮華王院再建 |
1340 | 佐々木道誉(ささきどうよ)が妙法院を焼く |
1437 | 三十三間堂の仏像・天蓋の修理が終わる |
1550 | 方広寺工事完了、千僧供養が妙法院経堂で執行される |
1595 | 仏師康正が蓮華王院二十八部衆を修理 |
1606 | 浅岡重政が三十三間堂で通し矢五十一本を射通し天下一の称号を許可される |
1661 | 妙法院の護摩堂が比叡山西党東谷常住金剛院から移築される |
1875 | 三条実美等の七卿が妙法院宸殿に会し長州へ去る |
1875 | 境内が上地となり、二十二万坪の寺地が二万坪となる |
1897 | 古神寺保存法が公布され、蓮華王院本堂が特別保護建造物に指定される |
1929 | 蓮華王院の修正が始まる |
1989 | 蓮華王院千手観音千体像の修理が始まる |
三十三間堂は京都駅の東方にあり、京都駅から徒歩で20分ほどの距離にあります。道を挟んで京都国立博物館があり、博物館の北に豊臣秀吉をお祀りする豊国神社があります。三十三間堂の南には皇室ゆかりの泉涌寺。さらに南には紅葉で有名な東福寺など周辺にはたくさんの見所があります。
JR京都駅からは徒歩で20分ほどの距離ですが、交通量が多い通りですので京都市バスの利用をおすすめします。100・206・208系統に乗車し10分ほどで「博物館三十三間堂前」で下車してください。バスで観光をする場合は、1日乗車券500円が便利です。
京阪電鉄をご利用の場合は「七条駅」で下車ください。七条駅から徒歩で7分ほどで三十三間堂です。
阪急電鉄をご利用の場合は「河原町駅」か「大宮駅」で下車ください。河原町駅下車の場合は京阪電車に乗換え祇園四条駅から大阪方面行きにて七条駅下車。徒歩で7分ほどで三十三間堂です。市バスの場合は大宮駅からは京都市バス206系統「水族館・京都駅ゆき」を利用し「博物館三十三間堂前」で下車してください。
三十三間堂には50台ほどの駐車場があります。また京都国立博物館にも50台ほどの駐車場がありますので、比較的車で行きやすい場所にあります。
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